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やっと出ました4巻。5巻で完結するようなので、今回では少しずつ伏線を回収していくのかと思いきや、どんどんイメージは広がりをみせていく。この作家は、全体的に画力が凄い。想像力というんではない気もするが、人の情動を深く揺さぶる力が画にある。
ストーリーの方は、すべての現象の始まりのキーとなる南極での6年前の出来事が描かれる。
途中、アングラードによって語られる世界観は、さながらラブロックのガイア理論を彷彿とさせるものがあり、それはそれで面白い。ただそうなると、どうも個としての人間に対する描かれ方が薄くなっていってしまう。多くの物語はそうだ。経験上。
ライアル・ワトソンとかもそうだけど、こういう想像の跳躍力のある人達は、我ら凡人からすると、途中で頭がついて行けなくなって「えっ!」という『とんでも』の方向にいっている様に見えてしまうのだ。多分、それは話が一挙にマクロな方に行きすぎて、ミクロな世界観への興味があっさりと捨て去られている気がして不安に駆られるからだろうと思う。
僕は、世界のそのものの成り立ちみたいなものにも一定の興味はあるけど、どうも人間が置いてきぼりなっているものっていまいち乗り切れない。
今回の南極編でも、『空』や『海』(海獣の子供の名前ね。)がどうも、人間というよりも、シャーマンやユタに近い、超人的な描かれ方をされているのがうーむという気もするけど、この二人が、自分の過去の過ちに拘り続けるジムに可能性を見いだしているのが面白い。自足的な体系の中に閉じこもってしまいがちな自らの世界観のブレイクスルーを、多分のこの漫画の登場人物の中で一番人間くさいジムに求めるというは、なんとも素晴らしいバランスの取り方だよな。と偉そうにも思う。
そういう意味で、5巻での注目人物は間違いなくジムだ。いったいどういうカタルシスが待ち受けているんだろうか?多分刊行は来年とかだろうけど、非常に楽しみ。
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