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キャメロンの12年ぶりの劇場用作品のアバターがやっと12月に公開される。もうこれは待ちきれないので、フライングする。

既にキャメロンの映画を観てきた世代が、ハリウッドに入ってきている程にキャメロンもおっさんになってしまったけれど、今現役の監督の中でダントツに素晴らしいのは、やはりキャメロンだ。

このオヤジは映画作りに関しては、もう鬼である。鬼神といってもいい。本当に妥協を許さない。いや、多分妥協はしているんだけど、それはキャメロンにしか分からない妥協であって、多分、周りの制作スタッフでその妥協に気がつける人はいなんではないか?と思ってしまう程徹底した仕事をしている。

ホントかよぉ。。。と思う人は、DVDとかの特典映像のメイキングとか観れば納得してもらえると思う。

さあ、話を映画作りから汎化して物作りについて考える。

物作りってなんでしょうね?多分に職人的気質を備えている日本人なら、それぞれ個別の解答があるだろう。

同じくキャメロンを尊敬している、ゲーム『MSG』シリーズを作っている小島監督は、「物作りは妥協です」と言った。この言葉は真実だろう。でも、これは前後の文脈を無視すると意味がない言葉だ。妥協が出来るくらい物作りに真剣だからこそ、妥協をしなければならない局面が出てくる。最初っから、プライドも信念もなく作っている『もの』には、また妥協点も存在しないのだ。だって、最初から物作りから逃げているんだもん。妥協すべき点なんてない。あるのは予算と納期だけだ。

さて、では今の日本はどうか?という話には繋げない。もうそういう言説は飽きた。言っても何にもならない。少なくと自分が関わっている『もの』は妥協出来る様に頑張るしか道はないので。

という所で、話を『アバター』に戻す。

構想14年、制作4年の長大なSFファンタジー作品だ。キャメロンに言わせると、俺の妄想にテクノロジーが追いついた。という事らしいが、その言葉は、相当な気合いが入ってんだぜ今回の俺っちは。と受けとる。若干、『アビス』と同じ臭いを感じるので、興行的には心配なんでけど、作品としては多分大傑作になるでしょう。

とりあえず12月の公開までは死ねないな。
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またまたイーストウッド爺ちゃんは大変な傑作を残して行きました。映画館でしっかりと見なかった事が悔やまれる。

簡単なあらすじをwikipediaより転載。

朝鮮戦争の帰還兵でフォードの自動車工だった老人コワルスキーは、妻に先立たれ息子たちにも邪魔者扱いされつつ、日本車が台頭し東洋人の町となったデトロイトの通りで隠居暮らしを続けていた。外国人を毛嫌いしていた彼の家にヴィンテージカー、グラン・トリノを狙い、ギャングらにそそのかされた隣家のモン族の少年タオが忍び込むが、コワルスキーの構えたM1ガーランドの前に逃げ去る。

その後、なりゆきでタオの姉スーを不良達から救ったコワルスキーは彼ら家族の温かさに親しみを覚え、タオに一人前の男として仕事を与えてやろうとするが、それを快く思わないモン族のギャングらがタオにからみ、顛末を聞いて激昂したコワルスキーはギャングのメンバーに報復を加える。これに対してギャングらは一矢を報いようとタオの家に銃弾を乱射し、スーをレイプする。

グラン・トリノ - Wikipediaより

どこでも言っているようだけど、主人公のコワルスキー(クリント・イーストウッド)は、まさに古き良きアメリカを象徴している人物。そして、コワルスキーが愛情を注ぐ愛車グラン・トリノはアメリカそのもの。しかし、そんな彼は、自分の家族とは折り合いがつけられない頑固ものでもあり、それ故にとても孤独だ。そして、過去に自らが犯した過ちに苦悩し続けている。なんとも深読みしてしまう設定だ。

そんな彼が、お隣のモン族の家族と心を通じ合わせ、少年タオに自らの価値観の骨子を伝えていく。

深読み要素は幾つもある。

コワルスキーは、自分の身の回り世話から、家や家具のメンテまで、しっかりとこなしている。しかし、東洋人の町になってしまったハイランドパークの町や家々は、荒廃しつつあり、もちろんそれをコワルスキーは快く思っていない。しかし、お隣と仲良くなってからは、少年タオに自らの家のメンテナンスをさせる。そして、そんなコワルスキーは近隣の住人達から、徐々に慕われていく。古き良きアメリカ的価値観の譲渡がコワルスキーと少年タオを通して行われている。自分の息子にではなく、移民の少年にだ。

折り合いをつける事ができない家族は、アメリカ人であるものの、コワルスキーの価値観を引き継いでいる訳ではない。息子は日本車のセールスマンで、トヨタのランドクルーザーに乗っている。また、もう一人の息子は、今の家を放棄して、老人ホームに移る事を進める。でも、コワルスキーは自分これまでの生き方や、住処を捨てる気なんてさらさらない。

こう書いてくると、コワルスキーが象徴する古き良きアメリカ万歳という話なりそうだが、そうでもない。コワルスキーは朝鮮戦争の時の記憶に苦しんでいるのだ。それはアメリカのこれまでの負の側面の象徴だろうと思う。

最後にイーストウッドは少年タオの為に全てを精算する為の決断を下す。その決断をどう判断するかは、もちろん観客に委ねらるが、それまでのストーリーを考慮するなら、これは何とも格好いい生き様としか言いようがない。

別に個人的には、古き良きアメリカの価値観を否定もしないし、肯定する訳でもない、それは最終的にはアメリカの問題だろうから。ただ、この映画から教訓を得るなら、それはプライドの守り方だろう。

コワルスキーは、自分が信じた価値観の為に最終的な責任を取る事で、未来にある種の想いを託した。その想いが少年タオにしっかりと受け継がれている事が示され、映画は幕を閉じる。なんとも素晴らしい終わり方だ。

おそらく現代の大人が子供を導くための本気の在り方がここにある。少なくとも、それをクリント・イーストウッドが見せてくれたのだ。感謝するぜ、爺っちゃん。

あと、Jamie Cullumのエンディング曲も素晴らしかった。これしかないなという感じ。早速、itunesストアで買っちまったよ。あとあと、イーストウッドの演技は相変わらず大根だけど、気にしない気にしない。ご本人曰く、これ以降は監督業に専念するとのことです。




再見。制作はかのプロダクションIGなのでクオリティは当然の様に高い。監督は、攻殻機動隊TVシリーズの神山健治。

ストーリーはかなり原作に忠実。その原作は正当派ファンタジー作品。といっても正当派ファンタジーってなんやねん。という話でもあるかもしれないけど。非常に硬派な作品だ。登場人物達はみな魅力に溢れ、世界観も薄さを感じさせない豊かなもの。その『守り人』シリーズの第一巻の『精霊の守り人』の部分にあたる。

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主人公のバルサやチャグムも魅力的だが、特に回想で登場するバルサの育ての親である、ジグロという人物に非常に惹き付けられる。この積極的に運命を受け容れようとする男が取る行動がいちいち格好いい。

原作では、『闇の守り人』でこのジグロにフォーカスしたエピソードが語られるのだが、TVアニメ版では、あえて終盤の重要な局面でこのジグロの過去が語られ、そのエピソードが転機となってチャグムの心構えが変わっていく。全26話中でも、個人的にもっとも好きなエピソードだ。(第21/22話)

どうして、自分の人生の全てを犠牲にして不幸になってしまう事も覚悟の上で、赤の他人を一生守り抜くという仕事を引き受けたのか?そのジグロの心境に想いを馳せ、その話をしてくれたバルサの気持ちを理解し、覚悟を決めるチャグム。ちょっと綺麗すぎる感もあるが、それはつまらない見方だろうと思う。人は幸福になる為だけに生きるわけではない、その生きた例証とでも言うべき英雄的な人物が描かれているのが、もしかしたら、この作品の最大の魅力かもしれない。

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やっと出ました4巻。5巻で完結するようなので、今回では少しずつ伏線を回収していくのかと思いきや、どんどんイメージは広がりをみせていく。この作家は、全体的に画力が凄い。想像力というんではない気もするが、人の情動を深く揺さぶる力が画にある。

ストーリーの方は、すべての現象の始まりのキーとなる南極での6年前の出来事が描かれる。

途中、アングラードによって語られる世界観は、さながらラブロックのガイア理論を彷彿とさせるものがあり、それはそれで面白い。ただそうなると、どうも個としての人間に対する描かれ方が薄くなっていってしまう。多くの物語はそうだ。経験上。

ライアル・ワトソンとかもそうだけど、こういう想像の跳躍力のある人達は、我ら凡人からすると、途中で頭がついて行けなくなって「えっ!」という『とんでも』の方向にいっている様に見えてしまうのだ。多分、それは話が一挙にマクロな方に行きすぎて、ミクロな世界観への興味があっさりと捨て去られている気がして不安に駆られるからだろうと思う。

僕は、世界のそのものの成り立ちみたいなものにも一定の興味はあるけど、どうも人間が置いてきぼりなっているものっていまいち乗り切れない。

今回の南極編でも、『空』や『海』(海獣の子供の名前ね。)がどうも、人間というよりも、シャーマンやユタに近い、超人的な描かれ方をされているのがうーむという気もするけど、この二人が、自分の過去の過ちに拘り続けるジムに可能性を見いだしているのが面白い。自足的な体系の中に閉じこもってしまいがちな自らの世界観のブレイクスルーを、多分のこの漫画の登場人物の中で一番人間くさいジムに求めるというは、なんとも素晴らしいバランスの取り方だよな。と偉そうにも思う。

そういう意味で、5巻での注目人物は間違いなくジムだ。いったいどういうカタルシスが待ち受けているんだろうか?多分刊行は来年とかだろうけど、非常に楽しみ。
ニコ動のとある動画(非常に選曲にセンスを感じる。最近新しい音楽を見つける参考にしてます。)を見ていて、

Maybeshewill

というバンドの『Co-consipirators』を聞いたけど、終盤の畳みかける感じが堪らない。ジャンルは多分オルタナティブ・ロックなんだろうが、RadioHeadにせよ、こういう音楽は結構好きだ。何かしら精神にプリミティヴな作用を与えるのは音楽のある種の特権だと思うけど、その一番現代的な形式が、オルタナティブ・ロックなのではないのかな、とも感じる。なんでかは説明出来ない。



プロモも結構格好いい。

あと、ここから無料配信している様。多分違法なやつじゃないと思う。
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