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久しぶりの村上春樹のエッセイ。

相変わらず読み易く、買ったその日にすらすらと読み終わってしまったが、内容的には「ズシリ」と重たい。タイトルは、彼のライフワークである「走ること」だが、「走ること」についての語りは、そのまま、小説家として生きてきた四半世紀を語り、これからの小説家として姿勢(走り方)を、暗に語ってい る。微かなメタファーとして。

彼は、また、走れなった日々、あるいは走らなかった日々について語る。そこが、小説家として村上春樹を愛読する一読者としては、非常に興味く、また「ズシリ」ときたとこでもある。

村上春樹は、今年で58歳である。いくら頑張って走っても、30代40代の頃のようには行かない。その様な自身の肉体を、冷静に見つめつつも、戸 惑っている村上春樹は、「海辺のカフカ」の以降の空白期間と重なっている様にもみえる。立て続けに刊行された翻訳書(フィッツジェラルドの「グレート・ ギャッツビー」、チャンドラーの「ロング・グッドバイ」。共に彼にとって重要な意味をもつ2冊)も、その様な文脈で見ると、何か自分自身に洗い出しの様な ものとも受け取れなくもない。

いづれにせよ、彼はまた走り始めた。これまでとは違う確度で、「走ること」の意味を再度掴み直そうとして、走り始めた。それは還暦を間近に控えた 人間なら誰でも通る通過儀礼なのかもしれない。肉体が衰退した人間が、それまで生き方のシフトを人生から迫られているだけなのかもしれない。その辺りの感 覚は、まだ26歳の人間にとっては想像の埒外にある。ただ、彼の「走り方」の真摯なスタイルは、26歳の人間をも鼓舞する力強さと静謐さがある。これまで の村上春樹の文章からは、感じるとる事が出来なった種類のものだ。

次の長編作品が、とても、楽しみだ。
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