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ロッキー・バルボア = シルベスター・スターローン

考えてみれば、ロッキー・バルボアの人生くらい分かりやすい人生はない。どん底の生活から一夜にして、スターダムに上がった男の話だ。成功、女、贅沢、失意と、絵に描いた様な人生を歩んできた男が、やっぱり、絵に描いたようにしがないレストラン(まあこれは食堂といったほうが適切か)のオーナーになっている。過去の栄光を毎晩の様に客に語りながら余生を過ごしている。そんな折・・・。

という感じでこのファイナルは始まる。もう、ミエミエである。劇中のどのタイミングで寝てもまったくストーリーの理解に影響がない。これは、アメリカンドリームの話であり、アメリカンドリームに難解さは要らない訳だ。でも、これは凡百のアメリカンドリーム映画とは訳が違う。これは、ロッキー・バルボアの物語であり、ロッキー・バルボア は シルベスター・スターローン であり、シルベスター・スターローン は ロッキー・バルボア なのである。ロッキー・バルボア ≒ シルベスター・スターローン ではなく、 ロッキー・バルボア = シルベスター・スターローン なのだ。そう、この映画はフィクションじゃない。スターローンの略歴を調べればすぐに分かる。

だから当初、この映画は全く期待されていなかった。そう。もう誰もロッキーのミエミエの人生(スターローンのミエミエの人生)なんかもう観たくなくなっていのだ。でも、この映画に対するスターローンの腰の入れようはハンパじゃなかった。トレイラーで流れるロッキーの体は、シリーズ中最高にビルドアップされている。もちろん薬も打ちまくっただろう。60歳という年齢を考えれば、命を自ら縮めるているに近い無謀な行為だ。そこには、一人の、それも還暦を迎えた人間の我武者羅に踏ん張っている姿があった。そして「NEVER GIVE UP 自分をあきらめない」とテロップが流れる。「ミエミエの人生かもしれない。でも、本物の人生だ。」ロッキー(スターローン)からの、不器用で、単純だが、真摯なメッセージが伝わってくる。

そして、この構造はこの映画のプロットと全く同じなのである。還暦を迎えたロッキーの勝利を誰も期待していない様に、還暦を迎えたスターローンの「ロッキー」なんか誰も期待していなかった。もっと端的に言えば、馬鹿にしていた。そして、映画も現実も、見事なまでにその期待をひっくり返した。

この映画は、是非、「今更ロッキーなんてね・・・」という人に見て欲しい。そして、ロッキーの魂の篭ったメガトンパンチを劇場で食らって来て欲しい。
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