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キャメロンの鬼っぷりがもう一度観たくなって完全版とunder pressureを見直す。完全版が171分もあるけど、こっちが本当の『アビス』です。

『アビス』は、キャメロン作品の中では興行的には明らかに失敗だし、作品としての評価も、他の傑作『ターミネター1』、『ターミネーター2』、『エイリアン2』とかに比べると劣るというのが一般的な見方。

確かに『ターミネーター2』と『エイリアン2』は大好きだけど、どれか一つと言われると『アビス』を取りたくなるくらい良い映画なんだけどね。まあ、もちろんそういう評価にもそれなりの理由はあるけれど。

キャメロンは学生時代に海洋生物学と物理学を専攻していたくらいなので、その辺りへの興味はものすごくあるはずで、それを最初にぶつけたのがこの作品ではないかと。その熱い想いは、完全版の映像特典『under pressure』を観れば分かる。本人は、深海が舞台の『2001年宇宙の旅』が作りたかったと言っている。

ジェームズ・キャメロン - Wikipedia


SF監督的なイメージつきまとうキャメロンだけれども、この『アビス』では珍しく現実の世界を背景している。その背景とは冷戦。ただ、冷戦が崩壊して約20年後の現在にみると、作品の持つ緊迫感が微妙に伝わってこない。。。この作品は1989年8月公開だけど、同年の11月にはベルリンの壁が崩壊している。皮肉にも、冷戦に対する批判をメッセージとして持った作品が、冷戦終結によって、その評価を変えてしまったのだ。なんとも。

また、深海に潜む未知の生命体もリアルに生身を映してしまった故に、今観ると、うーむというかんじのチープさがある。そういう意味では、生にそこらへん出さなかった『2001年宇宙の旅』は戦略的だ。

また、海底が舞台故に、おそらく観客が期待したであろうアクションシーンがあまりなく、人間ドラマ中心のどちらかと言えばゆったりした作品になってしまったのも評価に影響したのかもしれない。

でもね、やっぱりこの作品が好き。

エド・ハリス演じるタフガイが、核爆弾を解除する為に降りてくいくシーンは素晴らしいことに変わりないし。奥さんとのやりとりはもちろん感動的なんだけど、爆弾の解除が終わった後に、もう地上に戻れなくなったエド・ハリスが、深海にゴロンと座って、深海(ABYSS)を見つめるシーンは、なんとも形容できない厚みがあるシーンだと思う。何かしら人間存在の一番大事な部分を映し出している気がしてならない。

『under pressure』には何かものすごいものを作り上げようと闘志を燃やす若きキャメロンが感じ取れてなんともいい。他の撮影スタッフや俳優からすると相当怖いと思うけど、やっぱり物作りはこれくらいの気持ちでやらなあかんと思わせられる。

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