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こないだTV放送を録画しておいたのを観た。いろいろと思うところがある映画でこれは観ておいて良かったな。と、気持ちが熱くなる映画だな。というのが素直な第一印象。

映画として、作品として客観的に評価するなら、新聞社内の大げさな対立、飛び交う罵詈雑言等は、一サラリーマンとして、どうしても大げさな演出に見えてしまう。。。でも、ここが作品の肝の一つでもあるだろうから、これはハズせないという事も分かる。墜落現場の再現も素晴らしいが、その画の力に頼らずに、あくまで新聞社内を舞台としてフォーカスした点は、とても素晴らしいと思う。

この映画は、一地方新聞社の新聞記者の戦いの記録だが、もうちょっと抽象化すると企業と企業戦士の戦いの構図であったりもする。

とにもかくにも、新聞記者たちの新聞に対する熱い想いが凄まじい。記者だけでなく、販売局や広告局といった、新聞社というイメージからすると裏方にあたりそうな社員達もそれぞれがそれぞれの仕事に相当なプライドをもっている。(それが正論かどうかは置いといても)

それぞれの社員が、ぞれぞれの想いをお互いにぶつけ合う2時間半は、猛烈なものだ。終盤の全社員入り乱れての大乱闘は、まさにお互いのプライドのぶつかり合いだが、仕事に対して何が人をそこまでさせるのか、考えさせられる事になる。。。

80年代という時代にあっては、企業戦士はみなあのようなプライドをもっていたのかもしれないし、取材した事件の大きさが、あそこまで記者達を昂揚させたのも分からない。仕事に対する熱い想いは、昔の方があったのではないかと、安易に結論を急ぐつもりもない。ただ、この熱い想いがなければ仕事は多分つまらないだろうなぁという漠とした想いは抱く事になるし、出てくる男達の大半は、(男の子目線でみると)大変かっこよく見える。公開は昨年だが、仕事に対して熱い想いを持ちきれない自分としては、いろいろメッセージを受け取らざるをえない。そしてこのメッセージは何かしら時代に対する批評性を備えている。

もう一つ。

この映画は、日航機事故をモチーフにしているが、これまで個人的に、この事件に大した興味は持っていなかった。当然と言えば、当然だが、現在28歳(1985年-当時4歳)の人間が、当時の記憶を鮮明にもっているハズもなく、「昔、スゲーでかい航空事故があったんだ。へぇ~」くらいの感想しかなかった。それも事故後何年経過というニュースで知るくらい。まあ僕と同じ世代なら、特別な事情がない限り、その程度の知識しかないだろう。

しかし、この映画の男たちの、昂揚/奔走ぶりもみて、やっぱこれは尋常な事件じゃないと思い、ネット上を巡回してみると、実に様々な情報がアーカイブされている事に気がつく。

日航機事故 - Wikipedia

日航機墜落事故 東京-大阪123便 新聞見出しに見る20年間の記録




これらの記録を読む/見る/聞くにつけ、愕然とさせられる情報が次から次へとつながっていく(リンクしていく)。まるで、失われてた24年分の記憶が自分の中に注入されていくような感覚だ。

最近は、ネットは終わりだ、もう先はない、ビジネスモデルが成熟してないネット等、ネットに対する批判的な論調があるが、少なくともアーカイバ(それはある意味では歴史記憶だ)としてのネットに勝るメディアは、今のところ他にはない。ある情報にたいする関連する情報のリンクによって、ユーザはその情報の全体像、それに対する人々の想い、考察、事実のディティールをあっと言う間に補完できる。もちろん、間違った情報や信憑性にかける情報もあるが、それは、ある程度他のリンクを回る事で、補完/訂正可能だ。

情報の相互リンクも強力だが、動画や音声、画像として当時の事件を体験する事が可能であるというのも、人類の歴史上かつてない事だ。ネット以前は、歴史の叙述の担当は基本的は文章だけだった、もちろん、テレビというメディアもあるが、テレビはアーカイバというよりも、進行形の現在にフォーカスしており(視点もリアルタイムであるが故に野次馬的興味で成立している・・・)、アーカイバとは言えない。

ネットでは、きっかけさえあれば、かなりの程度まで歴史に対する興味を能動的に深めていく事が出来る。現に、日航機事故に関して4時間もネットを巡回してしまった。(もちろん、すべての関連情報を見回った訳ではない。この後も書籍等でフォローアップしたい。)このアーカイバとしてネットの潜在能力は凄まじいものがある。

自分の知らない歴史を、この様に追認識できたのは大きな収穫だった。こういう体験はこれまでも何度もあるが、その度に「ああ、これは知っておいて良かったな」と思う。自分の興味で能動的に知る歴史は、多くの場合信じられない位多くの事を学ばせてくれる。時には、少なからず人生観の変更を余儀なくもされる。

僕の最も愛読する作家である小林秀雄は「歴史とは自己である」と書いていた気がする(どうしても出典が思い出せない。。。すいません。知っている人は教えて下さい。。。)が、それは、ある意味で、自分の過去をふりかえる様に、歴史を読まねばだめだという意味でもある。それは今でもそう思う。また、そういう風に学ぶ時の歴史以上に面白いものもそうそうない。

多くの人にはとって歴史は、基本的に他人の過去に過ぎない。それ故に、あっという間忘れ去れる。だが、決して忘れない人々もかならずいて、ネット上ではきっと今日もそういう想いを持った人たちの記憶がアーカイブされている。そして、その過去を共有しようと思えば可能な空間が開かれているという事実は、情報技術がもたらした非常に大きな成果だと実感させられる。

と、またしても映画からは話が逸れたが、個人的にいろいろなきっかけを与えてくれる映画であったので、取り上げてみた。
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