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やっぱりシリーズものは難しい・・・。

世界最速で見に行くほどではないが、こういうのはやっぱお祭りであって、混み合った映画館でポップコーンを摘みながら見るべき映画ではある。よって、パッーと見てああ面白かった!っと言って席を立てるとこれは最高にハッピーで、まさにエンターテイメントのあるべき姿という事になる訳だけど・・・むむむ。

ダメな点

1.スパイダーマンが名も無き市民を助けるシーンが殆どない。
2.スパイダーマンがダークサイドに堕ちているシークエンスが長すぎる。(よって全体の尺も伸びだれる)
3.肝心の(殆どの観客がそれ目当ての)アクションシーンが1、2、を超えて画期的ではない。

1.について

やっぱりヒーローっつうのは慈善活動をしてなんぼである。慈善活動をするからヒーローなんである。でもって映画的にはそういう主人公のバックグラウンドになるシーンの連なりが、面白さのベースラインになる訳である。この監督(サム・ライミ)は、その事が分かっているはずなんだが、シリーズ故のプレッシャー(1よりも2よりも面白くせねば!!!)から、初心を忘れてしまったのかもしれん。あと撮影監督が変わっているようなので、その影響もデカイ。

2.について

これは戴けない。ダレる。時計見ちゃう。このシークエンスが長すぎたせいで映画としてのスピード感が失われている。この内容なら2時間に刈り込める。

3.について

この映画全体を印象付けるメインのアクションシーンがない。2にあった暴走した電車を自らの体で止めるシーンなんかキリスト教圏ならではの演出で上手いな~~~と思わせてくれたんだが、今回はその程度に印象的なシーンはなかった。残念だ。多くのスパイダーマンファンが期待しているのは、おそらく「ソコ」なんだから、そういう映画的山場は必ず作らなきゃいけないのだ。もちろん、個々のアクションシーンのクオリティは制作費に比例して凄いけど、もう一声という印象を受ける。

この3点で、残念ながら、1よりも2よりも面白くない映画に仕上がっている。
ただし、ポップコーンムービーとしては十分に楽しめるレベルの作品ではあるので、このエントリを読んだ後でも、少しでも見たいというモチベーションが残っている人は、是非でかいスクリーンの映画館に足を運んで下さい。
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格差社会って怖いですね・・・。

観終わって、素直な感想。「いい映画だな。コレ。」
ウィル・スミス親子の熱演に非常に好感が持てた。月並みだけど、現代人が忘れたものが確かに感じ取れはすると思う。なんか、戦後の日本人に近いものがあるんではないか。アレだけの状況で、まだ子供と自分の幸せに希望を失わずに、前向きでいられるってのは、やっぱり「幸せのちから」なんだろうな。

父と子の描写以外バッサリ切り落とした潔い作り。ここらへんは、非常に評価できる。まっとうで、単純な演出ではあるが、こうやって迷いない作りを見せくれる映画は以外と少ない。スノッブな映画に食傷気味な人には新鮮だろう。

でも、個人的に一番衝撃だったのは、当時(1981年だっけ?)のアメリカに、教会の世話にならないと寝床さえ確保できない人が、あんなに沢山いた事。たしかに当時のアメリカは経済的には、相当疲弊してたけど、これには驚く。

そうえいば、以前エントリにした「フープ・ドリームス」は下層社会のドキュメンタリーだったけど、あれも相当衝撃だった。結局の所、アメリカ社会の格差問題は、相当深刻で、いまだ進行中。どれだけ経済が上向こうが、下層社会に生きる人達の生活は、殆んど変わらない。最近は、日本でも格差社会とかいってるが、アメリカの格差問題に比べれは、まだまだ一億総中流である。メディアを通して入ってくる情報では、アメリカ人はみんな郊外の芝生が敷き詰められたでっかい庭付きの家に住んでるが、んな事た~ない訳である。という訳で、この映画は、日本人にとってはアメリカの影を捉えた、貴重な映像的資料でもある。

また、これ映画は、典型的なアメリカンドリーム映画でもある。アメリカ人が、あれだけ成功者を賞賛するのも、どん底がどれだけ深いかという事をみんなが知っているからという側面もあるだろう。この映画は、そのあたりを的確に表現している。本物のアメリカンドリームって、これだけキツイって事がヒシヒシ伝わる。

で、また格差社会に話題を戻すと、どんだけそこが深くても、ちゃんと努力した人間を拾い上げるシステムがあるアメリカは立派な国でもある。でもって、新卒で就職できないと、選べるカードが1000分の1位になっちゃう日本は、やっぱ怖い国でもある。問題なのは、格差なんかじゃなくて、全ての人間に平等に社会的なチャンスが用意されているかどうかという点なんだ。

でも、そういうつまらん一般論は、ホントはどうでもよくて、大事なのは、生活レベルと幸せが、必ずしも相関関係にあるわけではないという現実(幻想)を、社会が提供できるかどうかって事なんじゃないかと思う。多分、今の日本にその幻想はない。バブルではじけたのは、日本経済だけではないのだ。でも、これも、つまらん一般論か。

とりあえず、強引にまとめると、
心温まる映画なので、オススメです。多くの人は泣くでしょう。

※注意 : 観に行く際は、事前情報は極力仕入れない様に。確実に面白さが半減します。
僕が求めていたのは、まさにこの様な映画だ。

長らく更新をお休みしていたブログを、再開するモチベーションを与えてくれた周防監督にまずはお礼を言いたい。「ありがとう。」ちなみに、ブログを移転したのは、アメブロに色んな意味でウンザリしていたから。え~と、理由は・・・って、そんな事はどうでもいいね。

ブログの更新が止まっている間も、前と変わらない、あるいはそれ以上のペースで映画は観まくってた。でも、どうも筆を執る気になれなかったのは、仕事で疲れて・・・という以上に、エントリにしたいと心から思えるような映画があまりも少なくて(まあそれは今に始まった事じゃないけど)、そういうのをイチイチやっつけでエントリにしても「しょーがねーよなー」という気持ちがあったから。いまでもそういう気持ちはあるんだど、そんな気持ちを完璧に吹っ飛ばしてくれるのも、やはりまた映画なんだね。

「shall we ダンス ?」の周防監督、11年ぶりの新作「それでもボクはやってない」

異常とも言える完璧な出来だった。映画が始まった瞬間に、これは本気で作られた映画なんだと、僕の映画嗅覚がはっきりと教えてくれた。もう映画のあらゆるディティールから、製作サイドの本気が伝わってくる。

ボクは、映画を評価する時の基準ってなんだろう?と、長らくわりと真剣に考えてきたんだけど、だれもが納得出来る評価なんて当然ながらどこもにもない。だけど、だれもが感じ取れて、ある程度の指標となってくれるものはある。それは、製作サイドの映画作りに対する情熱だ。もちろん、本気で作ればそれが即傑作って訳ではないけど、少なくとも本気で作られてないものは、市井の人が認めると言う意味での傑作にはならない。まあ当たり前っちゃ当たり前なんだけど、観客にも伝わる程度の)本気で作られてる映画があんまり少ないと、そういう当たり前の事さえ分らなくなったりする。(心あたりのある日本映画界関係者心して聞け!)

「それでもボクはやってない」は、日本の刑事裁判に鋭く(鋭すぎて、ちょっとこれヤバくないか?って観客ですら思う。特にラスト)切り込んだ社会派映画であるものの、観客をドラマにグイグイと引き込む優れたエンターテイメント性、ストーリー性を兼ね備えている。痴漢冤罪という都会の満員電車に乗った事のある男性なら誰もが恐怖する題材を持ってくるところも、この問題を誰もに興味を持って欲しいという腰の低さを感じさせる。そして、2年にも及ぶ徹底取材の蓄積が、映画の随所に感じられ、凄まじいリアリティを生み出している。

実は、映画館で観た映画としてはコレが2007年一本目なんだけど、今年これを超える映画は、もう洋画・邦画併せても出てこないんじゃないかと思う。それくらいの出来だった。もちろん、それは映画としての出来の良さもあるけど、何よりも映画から伝わってくる強力なメッセージ故にそう思った。監督の日本の刑事裁判に対する、疑問と激しい怒りが、(文字通り)くっきりとスクリーンに刻まれている。

ボクは、その様な表現にぶつけられた激しい感情を、久しぶりに感じて、ほとんど泣きそうになる位にショックを受けた。そのショックゆえに、「そうだ!ブログ再開しよう!」っと思った。周防監督に触発されてなんて言ったら畏れ多いけど、やっぱ表現する事ってちゃんと意味があるんだな。それでホントに人が動くって素晴らしいなって、マジで思った。監督ありがとうございました。

という訳で、コレは本当に素晴らしい映画なので、このエントリと読んだ人は、必ず映画館に足を運んで下さい。1800円で安いと思える稀有な映画です。
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esは怖い。

何が怖いって、人間って状況次第で簡単に狂ちゃって現実なんて全然眼中に入らなくなっちゃうって事が実にリアルに伝わってくるとこ。これは実話がベースになってて、その実験は映画ほど悲惨な最期にはならなかったらしいけど、これより悲惨な例は歴史を見ればゴマンとある。ホロコーストとかね。

多分人間て自分で思ってるよりもはるかに不確かな存在で、状況に流されず自分の判断で動ける人なんてホントに一握りしかいない。あなたは自信ありますか?僕はあんまりない・・・。例えば自分が小学生で、クラスでいじめがあった場合にそれに対してNO!といえるか?この程度なら言える人はいっぱいいるし、何よりも間違った事っていう認識は99%の人がすると思う。でも、これが会社内あるいは大きい組織内での不正だった場合はどうだろう?これはかなり難しい。自分の保身なんか考えはじめるとまずムリなんじゃないかと思う。さらに規模をでかくして、社会全体が間違っていた場合。これは不正を正すどころか、不正に気が付くだけでも大変。ホロコーストなんか今から見れば、ほとんどの人に間違ったことだってはっきり分かるし、言えると思いますが、あの時代のあの状況に中にいたら?自分がもしナチの将校で、虐殺の命令くだされたらNOといえるか?アイヒマンはNOどころか、効率よくユダヤ人を殺す方法を真剣に考えていて、その上罪の意識はゼロみたいですから、これはes以上。

小林秀雄曰く、時代には時代のドグマが必ずあって、その中にいる人はそのドグマから出られないそうです。

因みに、現代のドグマは科学。どんな事でも、科学的に説明されるとみんな納得しちゃう?ぼくもそう。でも、科学の説明ってあくまでも因果律にのっとた一面的な説明に過ぎなくて、他の説明の仕方もあるかも知れない。でも他の説明をされると現代人は上手く納得できない。だからそういうのはオカルトとか迷信とか言われたりもするものもある。

ホントに自分のアタマでものを考えて判断を下すのはとてつもなく大変だ。それが出来てる人は、強い信念を持ってるんだけど、それにとらわれず、状況に応じてその信念に反することができるっていう矛盾した性質ももっている。これ、言葉で言うと簡単そうだけど、なかなか難しい。そうなりたいもんだけど。

という訳で、esは感情移入してみるといろいろ考えざるを得ない。
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チャーリー・カウフマン

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どっかのインタビューでチャーリー・カウフマンは「自分は人間の脳の働きにとても興味あるんだ」みたいな事言ってたと思うけど、そうゆうカウフマンの興味が上手い具合にラブストーリーになっている。

ジョエル(ジム・キャリー)は、別れた恋人クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が自分との恋愛の記憶を消してしまったことに憤慨して、自分も彼女との日々の記憶を消そうとするが、記憶を消していくうちにその記憶の大切さに気づいて、何とか記憶消去を止めようとするという話。主演の二人は演技はなんと言っても笑わせてくれる。ジム・キャリーはどんなシリアスに振る舞っても、面白いというのは可哀想だけれども。あと、ジム・キャリーはいつまでたってもアカデミー主演男優賞とれなくてかわいそうですね。こんなに演技うまくて面白い俳優に賞あげないなんて。確かに権威ある賞かもしれないけど、僕がもし俳優とか監督だったらウッディ・アレンみたいに受賞式に呼ばれたとしても、すっぽかしちゃいたい。まあそんなこたぁあるわけないけど。

で、この作品の個人的テーマだけど、ずばり記憶。突然ですが、この世で自分にとって一番大事なものってなんですか?たいていの人はお金、命、時間、家族、恋人とか答えるとおもいますが、僕だったら記憶と答える。だって、記憶が無くなったら自分が無くなっちゃうから。記憶喪失を考えるとわかりやすいけど、それと記憶がなくなるのはちょっと違う。

僕も医者じゃないから詳しいことは知らないが、記憶喪失っていうのは正確には記憶を喪失したんじゃなくて、記憶を引き出すトリガーを喪失しただけ。実際に記憶が無くなるわけじゃない。だから、たぶん無意識下の要素だと思うその人の性格とかなんかはわりと変わらないし、上手くいけば記憶も戻る。ホントに記憶がなくなるっていうのは頭の中だけ赤ちゃんと同じになるってこと。これは困る。自分がゼロなるってことは自分と世界との関係を喪失するわけだから。回りくどいこと言ってるけど、要は自分=記憶ってこと。

ちょっとベルクソンの本を思い出した。
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