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チャーリー・カウフマン

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どっかのインタビューでチャーリー・カウフマンは「自分は人間の脳の働きにとても興味あるんだ」みたいな事言ってたと思うけど、そうゆうカウフマンの興味が上手い具合にラブストーリーになっている。

ジョエル(ジム・キャリー)は、別れた恋人クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が自分との恋愛の記憶を消してしまったことに憤慨して、自分も彼女との日々の記憶を消そうとするが、記憶を消していくうちにその記憶の大切さに気づいて、何とか記憶消去を止めようとするという話。主演の二人は演技はなんと言っても笑わせてくれる。ジム・キャリーはどんなシリアスに振る舞っても、面白いというのは可哀想だけれども。あと、ジム・キャリーはいつまでたってもアカデミー主演男優賞とれなくてかわいそうですね。こんなに演技うまくて面白い俳優に賞あげないなんて。確かに権威ある賞かもしれないけど、僕がもし俳優とか監督だったらウッディ・アレンみたいに受賞式に呼ばれたとしても、すっぽかしちゃいたい。まあそんなこたぁあるわけないけど。

で、この作品の個人的テーマだけど、ずばり記憶。突然ですが、この世で自分にとって一番大事なものってなんですか?たいていの人はお金、命、時間、家族、恋人とか答えるとおもいますが、僕だったら記憶と答える。だって、記憶が無くなったら自分が無くなっちゃうから。記憶喪失を考えるとわかりやすいけど、それと記憶がなくなるのはちょっと違う。

僕も医者じゃないから詳しいことは知らないが、記憶喪失っていうのは正確には記憶を喪失したんじゃなくて、記憶を引き出すトリガーを喪失しただけ。実際に記憶が無くなるわけじゃない。だから、たぶん無意識下の要素だと思うその人の性格とかなんかはわりと変わらないし、上手くいけば記憶も戻る。ホントに記憶がなくなるっていうのは頭の中だけ赤ちゃんと同じになるってこと。これは困る。自分がゼロなるってことは自分と世界との関係を喪失するわけだから。回りくどいこと言ってるけど、要は自分=記憶ってこと。

ちょっとベルクソンの本を思い出した。
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チャーリー・カウフマン

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この映画はタイトル自体はあまり認知されていないが、脚本家は有名。2004年のアカデミー賞で脚本賞(「エターナル・サンシャイン」)とったチャーリー・カウフマンの作品。一番有名な作品は「マルコビッチの穴」で、これはほとんど人が知ってるんじゃないでしょうか?

この三作を見た人はわかると思うけど、この人の作品は話自体が非常によく練られていて、観てて退屈しない。最近では稀有な感じの唸らせられるハリウッド映画。逆に返せば、ハリウッドは今深刻な脚本家不足に落ちいってるという事でもあるけど。というか脚本家は沢山いるのかも知れないけど、いい脚本が無いんだろう。大体良い作品は小説の脚色とかが多い。

この映画は微妙にマルコビッチの穴とつながっていて、主人公はマルコビッチの穴を手がけたあとのチャーリー・カウフマン(ニコラス・ケイジ)とその弟のドナルド(ニコラス一人二役)という一風変わった設定。カウフマンは『ランに魅せられた男』という作品の脚色をしてるんだけど、なかなかうまくいかなくいうえに、弟のドナルドが脚本家教室なんかに行ったりして、しかも成功なんかしたりしてイライラしてる。

そのうちチャーリーは『ランに魅せられた男』の原作者のスーザン(メリル・ストリープ)に惹かれて興味を持ちはじめ、脚本の完成つでいでに会いに行くつもりが、なかなか踏ん切りがつかないうちに彼女の秘密を目撃しちゃって・・・・と言うような、うまく解説できない奇想天外な展開の話。

本筋とはあんまり関係ないけど、この映画の中で弟のドナルドが良い事言ってて、その話が個人的には印象に残っている。ドナルドが中学だか高校だかの時に好きな子がいて、その子はドナルドの事を陰ではキモいみたいな事言っていた。そのことをチャーリーがドナルドに話すんだけど、ドナルドはその陰口の事を知ってて、正確には覚えてないんだけど、「人間には人に愛される権利は無いけど、誰かが人を愛する事を侵害する権利もない」みたいな内容のことを言う。つまり、その子に自分を好きにさせたり、好きになってもらう権利は、自分にはまったく無いけど、自分がその子を好きだという気持ちは、たとえその子にでも侵害する権利はないと言いたいわけ。この話には妙に納得させらたし、すこし感動した。

本質的には米国のインテリ達がもつ空虚感を上手く描いてる。スーザンはその代表で、ジョン・ラロシュはそんなインテリの渇望を、日常として満たしている様にそのインテリからは映ってしまう。もちろんそれは、幻想だけど、その幻想はどうしても人に必要なものとして観る我々には映る。
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