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スカイ・クロラ (中公文庫) スカイ・クロラ (中公文庫)
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久々の映画エントリ。

やっぱり日本映画界を牽引してくパワフルさを持っているのはアニメ映画だった。

公開初日に見てきた。
とりあえずコレまでの難解な押井作品とは違い、メッセージがシンプルに映像化されている。
そういう意味では、押井さん人生観変わったんですね。と思う。

この作品に関して、「若い人」に向けて作ったと押井さんは明言している。

ソースwww.yomiuri.co.jp/entertainment/cinema/topics/20070620et02.htm

僕もまだ一応ギリギリ若い(27歳)ので、もちろん伝わる部分はあったけど、それは普段から思ってることを多少補強してくれたという感じで、多くの若い人たちにどう受け止められるかは結構微妙な気もする。

日常をどう生きるかという事に関して、若い世代の人間がこれだけ留保し続ける時代が嘗て日本にあったかどうかは知らんけど、人生に対して真剣に向き合う事から避ける人の割合って増えているというのはまあそうかもしれないし、自分も含めて、そういう時代の空気感みたいなものは、マスコミの似非社会学報道を無視したとしても、感じるところはある。

結果は置いとくとしても、そうなった原因は簡単で、真剣でなくとも人生結構生きている様な時代になっただけの事。だと思う。だって、真剣に生きてこなかった大人(あるいは真剣生きてきてもその事を示してこなかった大人)がゴマンといるんだから、若者が気だるそうになるのは必然だろう。そういう意味では人生に対して留保し続けてるのは、大人も若者も一緒かもしれない。そういう話はこのブログで今までも何度もしてきた。

この映画は、多分人生に意味なんかないと語る。登場するキルドレ達はまさにそれを体言している。空と大地の間で繰り広げらる漫然とした日常のループを淡々と生きる。でも、誰かを真剣に愛そうとしたとき、つまり、真剣に他人と向き合おうとしたとき、つまり、人生に意味を求めようとしたとき、やはり、人生を留保し続ける事は出来ないし、真剣にならざるを得ない。そして、そうしてみたところでも、やっぱり人生に意味なんかないし、傷つく事でより人生は辛くなるかもしれない。でも、恐らくは、少なくとも、その真剣になった一瞬には人生を賭けるだけの値打ちはある。そういう事をこの映画は語る。

映画を見終わった後もちゃんと人生は続いてく。日常は簡単に変化しない。カンナミ・ユーイチ曰く。「毎日歩く道は同じなんだ、でも違ったところを踏んで歩く事は出来るし、風景も同じじゃない」そういう事をこの映画語ろうとしている。

押井さんのかなりペシミスティックな人生観が現れているが、
ちがった所を踏んでみる事が、多分生きることに積極的になれる何かを秘めている。
それは確かだろう。

こういうメッセージがどこまで伝わるかに関しては、全く僕の想像の埒外だけれども・・・。

あと、純粋に映画のクオリティとして、
戦闘機が繰り広げる空中戦は素晴らしかった。
このシーンを見る為だけでも映画館に行く価値はある。
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いまさら何で「セルピコ」を見返しているかという突っ込みはなしで。
(こういう映画が最近妙に心を刺激するんだから仕方がない。)

アル・パチーノがまだそれほど大げさな演技をしてなかった頃の佳作。

汚職に手を染めず、一人孤独に正義を貫き、それ故に傷つき、やさぐれ、いろいろと喪失していくというストーリーと、実話ベースという説得力が、今日でも多くの人の支持を集めている。

観ていて思いだしたのが、
今年の正月に公開された「アメリカン・ギャングスター」

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時代設定といい、ラッセル・クロウの追い込まれ具合といい実に似ている。
そういえば、こちらも実話ベース。
ただ、救いがないという点では、「セルピコ」の方に好感がもてます。
好感もってどうすんだよという話ではあるが・・・。
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公開は去年の夏くらいだったかな。確か。

竹内結子の復帰作という事で話題になってたけど、この作品の竹内結子は本当に素晴らしかったです。はい。言葉にすると簡単だが、女の孤独というものが絶妙なバランス感覚で演じられている。それも大げさでなく、とてもさり気無い日常の中から浮かび上がってくる形で。空気としてサッと浮かびサッと消える。こういう演技って中々出来るものじゃない。そういう役者が醸し出す空気感みたいなものと、映画として演出しようとする空気感が一致すると、コレは映画としては成功だ。そしてこの作品はそれにも成功している。

背景が80年代の日本というのも、個人的にはグッときた。自分の子供時代の空気感がありありと感じられた。

原作の方も読んでみたが、

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長嶋 有

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最後の夏休みの部分が抜けていて、あれっと思った。
まあ、でも原作には原作のよさがあって、子供の視線にはなかなか説得力がある。
著者が男性というのが意外。男にも女性というものがここまで描けるんだな。という感じ。
表題作は、芥川賞受賞作で、こちらもなかなか。
一体何が言いたいんだこの映画は・・・?

という映画は、まあ、少なくない訳だが、
この「ジャンパー」は、そうった作品を超越して、全く理解できなった・・・。

主人公へイデン君は、「瞬間移動」という超能力を手に入れて、
誰もが通過すべき青春時代の忸怩たる想いをすっ飛ばし、
銀行強盗に、ガールハントにやりたい放題。

通過儀礼をすっ飛ばしてしまった青年の常として、まったく成長しないステロタイプのお馬鹿さん。
しかもアホなので、手に入れた特殊能力を無闇に浪費。

そんなヘイデン君に天罰を下だし、己の身の丈を思い知らせる為、
サミュエル・L・ジャクソン先生率いるジャンパー駆除チームが動き出す。

で、すったもんだの末、ヘイデン君は、
協力してくれた仲間のジャンパーを犠牲にし(ひどい)、ジャンパー駆除チームを撃退する。

でもって、幼馴染の美人のガールフレンドと結ばれて、特殊能力をすき放題使って、
ハッピーな人生を謳歌して行く。というお話。

ええ~、皆さん。僕の言いたい事分かりますか?

そうです。この映画に1800円も払ってはいけません。

あなたが、
物語りとは、人生についての「何か」を語り、
主人公はその中で、少なからず「成長」するものだと思っているならば、
映画館を出た後深く困惑する事でしょう。

ちなみに、この映画の制作費は約100億円。

こういう映画が製作される一方で、
ハリウッドの脚本家達は、汚いシャツにチノパン穿いて、
プラカードもって一生懸命ストしている訳だから、
アメリカ映画業界というもの相当歪だな~とは思う。

だってトム・クルーズなんてあんな大根なのに、
ギャラは映画1本7000万ドルとか貰ってんだぜ。
完璧なドキュメンタリー映画。

とりあえず素晴らしい映画なので是非映画館に足を運ぼう。
今年度公開作品ベスト3に入る大傑作。

詳しい感想は、その内別エントリでアップ予定。
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